「なにあれ、誰」

「あれ、あの人たしかSNSで快くんと写ってた人じゃない…?」


そんな声がうしろでするけど


「…え?」


そんな、快の声もするけど


私は足を止めることなく、駐車場まで歩いた。


「ふぅ…ここまでくればいっか」

「莉乃さん、さっきあの人たちが言ってたのって…
もしかして、俺との噂、たてられてますか…?」

「あー、うん
それが車乗ってるとこ撮られたみたい、で」

「え!?
…すみません、俺もっと気を付けるべきでした」


別に快が悪いわけじゃないのに、快はすっごく真剣に謝ってきた。


「快、いいよ。
私全然気にしてないし、なんにもされてないよ」

「本当ですか!?」

「うん、だいじょう、ぶ…」


笑顔で大丈夫って言おうとした瞬間、私は快に包み込まれた。
なにが起こったのかわからない。

でもなんか、私の顔は快の服にくっついている。


「よかった…」


その声が、頭の後ろから聞こえる。


「か、快!?」

「えっ、あ。あぁ…!
ご、ごめんなさい!!」


そういって快は勢いよく離れた。


「う、ううん…」


よ、夜でよかった…
私の顔、絶対に赤いわ…

もう、こういうの免疫ないんだから…