「え、と
なんかごめん」

「え、いやいや別に…
とりあえず座ったら?」

「あ、うん
お邪魔します」


……なんか、気まずい。
なんか、会話を…


「…に、西野くんだっけ
なにか私に頼み事…かな?」

「あ、うん…
えっと…」


・・・え。
え、待って。

なんでそんな恥ずかしそうなの。
さっきまで平然としてたじゃん。

なんで今そんな恥ずかしそうなの。


え、これはもしかして
私とお近づきになりたかった…パターンか!?


「じ、実は俺」


うわーー!!待って待って待って!!
こういうの慣れてないんだけど!!


「GWに彼女と旅行に行くんだけど
その、行き先が東京で…」


待って待って待って旅行って!!
…え、彼女?彼女と言いましたか??ねぇ。


「それで、宮瀬さん東京出身だって聞いて、ちょっとアドバイス聞きたくて。
なんかこういうの、彼女任せってよくないと思うし、でも俺全然わからないしって感じで…」


な、なぁーんだ。
そういうことですか…
1人で焦ってバカみたいじゃん…


「で、とりあえずホテルの相談なんだけど!」


おぉ、いきなり声大きくなったな。
ってかそんなでかい声でホテルとかいうんじゃない。
誰かに聞かれたら変な誤解されるじゃないか。


そんな心配をしてしまって、周りに目を配っていたら

「あれ、莉乃さん?」

「か、快!?
え、なんで!?」

なぜか、快が私の横を通り過ぎようとしていた。


「なんでって、俺ここの大学ですけど」

「……まじか。知らなかった」


まさかの、大学まで同じパターン…


快も驚いてはいたけど、西野くんを見て

「あ、俺邪魔ですよね」

そう言って、すぐに去っていった。