美優とは専攻が同じこともあって、カリキュラムはほぼほぼ一緒。
だから大学ではほとんどの時間を美優と過ごしていた。
美優がいないときはほとんどなくて、あるとすれば
「美優~」
「あ、祥吾!」
この同じ学科で、美優の彼氏である藤澤祥吾が現れる時間帯くらい。
「宮瀬久々じゃん~」
「うん、久しぶり」
この2人は大学入学してすぐ、藤澤の猛アタックによって結ばれた。
まぁ、美優も全然嫌な感じはしていなかったから、あっという間に付き合ったんだけどね。
「今日一緒にお昼いい?」
「え、私も?
いつも2人で食べてるのに?」
「うん、ちょっと宮瀬に頼みあって」
「ふーん?まぁいいけどね」
藤澤とはそれだけ言って、私と美優は講義へと向かった。
「ね、頼みってなんなの?」
「知らないよ~
私も祥吾から聞いてないもん」
「え、そうなの?
また旅行の時みたいに私の名前を借りるのかと思った」
「あー、はは
旅行の時はありがとうございました!
うちの親も莉乃には甘いんだもん~」
「ってかさっさと藤澤のこと紹介しちゃえば話早いと思うんだけどな」
「んー…それも思ったんだけどね。
でももう少しで付き合って1年だし、とりあえず1年たってからかなって思って」
「ふーん、なるほどね」
1年かぁ。
なんかあっという間だったな。
そう考えたら、私も大学に入ってもう1年たったってことだもんね…