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わたしがここに通い始めたのは、おそらく20年前ほどか。


その頃から近所に住んでいたわたしは足しげく通い、代が変わり、息子さんが継いだ現在も週に3回のペースで訪れている。



老後の唯一の楽しみといったところだ。



 2代目のマスターはまだ若いのに落ち着いていて、受け答えもかなり大人びている、


そこには少し冷たい印象も受ける人もいるだろう。


しかし彼が成り行きで継いで仕方なく店を回しているのではない。

そのことは常連ならば分かる事だ、彼のこの店への熱量と矜恃は本物だと思っている。