十分に満足した後は、江の島神社に向かった。


この場所は有名なデートスポットとして人気があるからか、観光客の多くは恋人同士で賑わいを見せていた。


私達は、そびえ立つ赤い鳥居に目を惹かれ、早速門を潜る。


周囲を眺めれば、可愛らしいピンク色に染まった場所が目に留まった。


ピンク一色の中に立っている、この木製でできた看板はとても目立っている。


その看板には"むすびの樹"と書かれており、願い事が多く書かれた絵馬で埋め尽くされていた。


私がじっとそれを見つめていると、藍来先輩は耳元で恋をしてるのかと、そっと囁いた。


私はそんなはずはないと首をしっかり横に振る。


藍来先輩は私を見て笑っていた。


なんだかとても楽しそうに。