「よくも明彦君をやってくれたな。

もう許さない!

リリーは絶対に許さない!」



三体に分裂していたリリーはいつの間にか、元の一体に戻っており、その一体になったリリーは黒い禍々しいオーラを放っていた。



「貴様がオレ様を怒ってみても、貴様はオレ様には絶対に勝てない。

ウサギがライオンに勝てないようにな」



「リリーの禁断の魔法で、お前の心臓を止めてやる!」



リリーはそう言うと、ダーギル相手に強気に振る舞い、絶対に退かぬ覚悟で禁断の魔法を唱え始めた。



「出でよ、デーモン!

そして、闇の魔王、ダーギルの心臓を握り潰せ!」



リリーが魔法を唱えた次の瞬間、邪悪な悪魔がリリーの魔法の杖から飛び出していった。



そしてその邪悪な悪魔は、ダーギルの胸へと飛んでいき、ダーギルの心臓を握り潰さんと、猛然とダーギルに迫っていた。



「笑止!

この魔法が貴様の切り札か?」



ダーギルはリリーの奥の手をあざ笑った。



そしてダーギルは邪悪な悪魔を退治するべく、闇の力を解き放った。



「我が闇の力よ、その邪悪な悪魔を呪い殺せ!」



ダーギルがそう言った次の瞬間、ダーギルの体から真っ黒な大きな影がアメーバ状に飛び出し、リリーが放った邪悪な悪魔の体を包み込んだ。



そしてその真っ黒なアメーバ状の大きな影は、邪悪な悪魔を飲み込み、リリーの魔法は消滅した。