マギーの素早さとダーギルの素早さの真っ向勝負が始まった。



しかもマギーの剣は素早いだけでなく一撃必殺。



マギーの攻撃がダーギルにヒットすれば、ダーギルでさえもきっと倒れる。



十字剣で迫るマギーと、それを避けるダーギルの動きはどちらも素早くて、真剣に二人の動きを見ていないと、二人がとこにいるかを見失ってしまう。



マギーは元々、パワー型の剣士だが、セクシー吸血鬼、ドロレスとの戦いの中で、スピード重視の戦いをも身につけていた。



マギーは一方的にダーギルを攻め続け、ダーギルを壁際まで追い詰めた。



ダーギルの背中が壁に当たり、ダーギルは逃げ場を失う。



そしてそのとき、マギーの剣がきれいな十字を描いてダーギルに襲いかかった。



(マギーの剣がダーギルを捉える!

ダーギルにはもう逃げ場がない!)



僕がそう思ったとき、ダーギルは背中に生えた大きな羽で、天井の方へと舞い上がった。



僕たちが空を飛ぶ巨体のダーギルを見上げたとき、ダーギルは右手に魔力を込めて、その魔力をマギーへと解き放った。



「残念だったな、女剣士。

オレ様の魔法をくらって、死ね!

最強の雷系魔法、デラックスサンダー!」



ダーギルの唱えた魔法が一直線にマギーに向かって飛んでいった。



マギーは自分の最後の攻撃がかわされることも、ダーギルが空を飛ぶことも、想像すらしていなかった。



そしてマギーは、そんな自分にダーギルからの反撃が来るとは思っていなかった。



マギーはダーギルの魔法をとっさに避けたが、それでもダーギルの魔法を避けきれず、マギーはダーギルの魔法の一部をその身に受けてしまった。



ダメージを負ったマギーは床の上に膝をついてうずくまり、そこから動けぬままじっと下を向いていた。



「大丈夫?

マギー!」



僕はダメージを負ったマギーに声をかけたが、マギーからの返事はなかった。