「ねぇ百合、そういえばさ、例のクローバーは集まったの?」
小さな折り紙を三角に折りながらココちゃんが聞く。
“例の”というのは、四つ葉のクローバーのこと。
「それがさぁ、あと15枚が集まらなくて。毎日探しに出てるんだけど、なかなかね・・・・」
「そっかぁ・・・・。でもまだ1ヶ月あるからさ、なんとかいけるんじゃない?」
あと1ヶ月かぁ・・・・。
7月の中旬からは予選が始まる。
わたしたちの最後の夏か。
早いようで短い気がするな。
「そうだね!1ヶ月もあればなんとかなると思うよ」
「うん、頑張れ!じゃあ、そうとくればお守り、できる分だけ完成させよ? あたしも鶴折るの手伝うからさ!」
「うんっ!ありがと!」
最近のわたしたちは、暇さえあれば応援グッズ作りに精を出していて、その間にする会話は稜ちゃんが絡んだ話が大半だったりする。
ココちゃんに「稜ちゃんとまたお出かけすることになった!」って報告してからは、ずっと「つき合っちゃえばいいのに」って言われ続けている。