「はじめまして。桜庭竜司と申します」

「はじめまして。藤宮麗華です」


2日後。婚約者との初顔合わせ。

といっても、すぐに結婚するわけじゃないけれど。

でも、お母さんのいうとおり、誠実で優しそう。



「麗華さんは、なにがお好きですか?」


学校生活や、趣味など、いろんなことを話した。

楽しかった。

この人なら、好きになれそう。


「麗華さんはとても素敵な女性ですね。僕にもったいないくらいです」

「いえ、そんなこと」


でも、気づいた。

わたしまた仮面をつけてる。

なんとなく、息がつまるような気もした。

これが、この先ずっと続くとしたら、いや、今日は初めてだし、これからもっとたくさん知れば、わたしもいつか普通に接することができるかな。