―ッガラ。
行く宛てがなかった俺は
誰も居ない教室で
気持ちを落ち着かせようとした。
‥‥が。
「あっ、空ぁ!」
ドアをあけた瞬間
甘ったるい声が
俺の名前を呼んだ。
ほんと、ツイてねぇ‥。
そこには
俺にいちいち
付きまとってくる、女の中の3人が
話をしていた途中だった。
「ねぇねぇ、これからカラオケ行かなぁい?」
あーもう。
勘弁してくれよ‥。
香水の匂いが
鼻を刺激する。
甲高い声が
耳を刺激する。
「ねーえ!空ぁ~‥」
うるせぇな。
ずっと話しかけてくる女に対して
俺は聞こえないフリ。
聞こえないフリにしても
ちょっと無理があるけどな‥(笑)