振り返ると
そこには俺があの時負けた‥
護がいた。
「あぁ。」
俺は短く返事をして
護から目を逸らした。
「まじかよ‥。空が居ねーなんて、すっげぇつまんねぇし!」
耳に響いた言葉。
つまんねぇ?
ラッキーの間違いじゃねぇのか?
邪魔者が消えて
良かったじゃねぇか。
お前は‥
去年だって出たくせに
今年も出るんだろ?
どうせ、俺のこと
影で笑ってんだろ?
…駄目だ。
今の俺には
誰のどんな言葉でも
皮肉に聞こえる。
「悪りぃ。用事あっから帰るわ」
目を合わさないまま
そう言った、俺は
早足で
体育館を後にした。