「離して!」 雨も本降りになってきて、私の声なんかかき消される。 それでも叫んで、助けを求めないとこの男たちは私を引きずるばかりで。 「それで抵抗してんの〜?」 ガタイもいいし、なにより男に力で敵うわけがない。 そんなのわかりきってるのに、抵抗しないと何をされるか分からない。 …いや、抵抗したところで何かされるに違いない。 どうせこれもまた、怜が仕組んだ事だろうし。