「お前、一人?」


初めてではない繁華街で、初めて見る男に声をかけられる。

その男の風貌は恐ろしいくらいに整っていて、見るもの全てを魅了した。



「…出てきたんです。」

叶望の指は投げたコップが割れた破片で切れていて、血が流れていた。



「とりあえず、家来いよ。手当てしてやるから」





───それが怜と叶望の出会いだった。






No side end