「…やめろ、陸」

「でも…！」

「やめろって言ってんのが、聞こえねぇのか？」


小さいけど、確かにその場に響く低く冷たい声。




「あははっ！物分りはいいみたいで、助かりましたよ。」


その光景を見て白髪は笑いだし、そして突然笑うのをやめて遥の方を見た。




「あなた方は知らないみたいなので教えてあげますよ、姫野 叶望の全てを。」








それはその男から語られた、叶望の過去の話だった───。











湊都side end