「仕方ないわ、プールもそれくらいなら空いてるでしょ?」
佐野さんがプールの営業日を見ながら陽菜を宥める。

8月の21日。ちょうどみんなの予定が空いていた学校が始まる3日前。
5人ともカレンダーに「プール」と書き込む。

「あ、わかってると思うけど宿題終わってないと置いてくからね?2人とも」
佐野さんが陽菜と颯太に圧をかける。

ひぃっ…と震え上がった2人は
「「も、もちろんです!」」
と声を揃えて佐野さんに頭を下げる。

笑顔でこの圧だ、佐野さんが飛龍で幹部をしているのも納得できる。飛龍がどんな場所かは知らないが。
おそらく前日になって陽菜と颯太は宿題が終わらずに泣きつく羽目になるんだろうな、とも思ったのは心に秘めておこう。

ふと隣を見ると水瀬と目が合って、
美玲ちゃん怖いね、と笑いかけてきた。