「蒼志、寝ないで」
「寝てない…脳を休めてるだけ…」
「ううん、それ寝てるっていう。赤点取っても知らないよ俺」
「吉乃…俺のこと見捨て……ない…で…」
「蒼志のことはほっといてやりましょうか、二千花先輩」
テストまでは1週間を切っていた。
そんななか私はというと、駅に向かう途中にあるファミレスで、蒼志くんと吉乃くんと一緒に勉強をしていた。
テスト1週間前から部活動休止期間に入るのだが、サッカー部の蒼志くんは見た目通りのおバカさんで、その割に休止期間前までノー勉でいたらしい。
1年生の頃から毎回テスト勉強は吉乃くんに面倒を見てもらっていると、蒼志くん本人が言っていた。