成川くんと付き合うことが億劫であることは、この2人にはずっと相談していたことだった。
2人は学校も違うし、直接かかわることがないと思ったからこうして話せているわけだけど、なんせ思考回路が小4男児なので、ろくな答えが返ってきたことは数えるほどしかなかった。
まだ別れてない。
本当に、タイミングがつかめないのだ。
「だから、俺はよくわかんない男ならやめとけって言ったのに」
「…うん」
「にっちゃん、全然楽しくなさそうだしさぁ」
瑛斗は最初から心配してくれていた。
当初は“男を経験した方が良い”と成川くんと付き合うことを進めていた咲斗も、最近では「まあ、経験的には十分だしな」と別れを促してくるようになった。
2人から見てもそうなのだから、本格的に成川くんとは別れた方が良いことも分かっている。
相手に申し訳ないだとか、タイミングがつかめないとか、彼とスッキリ別れるための口実がないだとか、そんなものは全部言い訳だ。
自分にふがいなさを感じているなら、状況を変えようと努力すべきなのに。
私は、あまりにも頑張らなさ過ぎていると思う。
