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時刻は12時半をまわっている。

双子の要望を受けて、私たちはふわふわのかき氷が人気の専門店に来ていた。


夏休み中はここの行列ができているのをよく見かけたけれど、9月も半ばに差し掛かっている今日は、並ぶことなく入ることができた。


3人で異なる味のかき氷を注文し、全員分が運ばれてきたのが、ちょうど今だ。



「ニチ」

「ん」

「お前、まだ彼氏と別れてねーの?」




きなこがふんだんに使われたかき氷にスプーンを通しながら咲斗が言った。

その言葉に「え」と声を洩らしたのは私ではなく瑛斗。



「嘘、まじで?にっちゃん いつまで引き延ばすつもり?」

「あー、でも、彼氏の方も必死なのかもしんないし。告白の時もそうだったじゃん」

「頑張らせてよ、だっけ。すごいよなー…俺はそんなこと言える勇気ない」

「俺もー」