「…先輩は、最初から最後までムカつくくらいずるいです」

「…、うん…」

「山木は、先輩からの言葉をずっと待ってます。早く行ってあげてください」



それでもこうして向き合ってくれて、何度も背中を押してくれた。

感謝してもしきれない。

私は、嫌われていたとしても蛍原さんのことが好きだ。




「、蛍原さん、ありがとう」

「…てかいつまで名字で呼ぶんですか?あたしの下の名前知らないんですか?呼んでくれてもいいですけど…べつに」

「知ってるよ…!あやかちゃん…っ」

「ちょ、泣くのムカつくんですけど!」

「うっ…好きだよあやかちゃん…」

「に、二千花先輩!いう相手間違えてるから!はやく山木のとこ行ってくださいよ!」

「行くよぉ…っうう、ありがとう…っ」

「キャラ崩壊してる!きもちわるい!」




恋は知らないうちに落ちてるもの。

友達も、知らないうちになっているもの。



ぼろぼろと涙をこぼす私に、あやかちゃんは呆れながらティッシュを渡してくれた。