「何が言いたいかって、吉乃が知らないところでうだうだしてたって仕方ないってことです。愛は届いて初めて形になるって、俺は思ってるので」




蒼志くんはそう言ってニッと笑った。


優しい人に囲まれた。

みんなそれぞれの考え方や愛があって、それを実感してなんだか泣きそうになってしまう。


私は本当に、この瞬間まで、誰かに背中を押されてばかりだけど、最後にもう一人だけ───…頼りたい人がいる。




「蒼志くん、…蛍原さんの連絡先教えてもらえないかな」

「いいっすよ。蛍原からも前もって言われてました。『吉野先輩に聞かれたら教えといて。放課後なら、仕事あっても抜けれるから』って」

「、そうだったんだ」

「蛍原、あいつツンデレっすよね。良いやつだし」





うん、本当に、私もそう思う。