──と、そんなことを考えながら図書室で本を読んでいた、今日。
「先輩」
「蒼志くん。こんにちは」
「あ、今日は吉乃いないっすよ。本屋寄るって言って先帰りました」
放課後の図書室で会ったのは、珍しくも蒼志くん一人だった。
「あの、先輩」
「うん…?」
「俺、先輩の力になれないっすかね?」
唐突にそんなことを言いだした蒼志くん。
図書室は相変わらず利用者がなかったので、誰かに聞かれていることもなさそうで少しだけ安心した。
それより、“力になれないか”とそんなことを聞いてくるということは───…
「先輩、吉乃に告白したいんじゃないんすか?」
…やっぱり、もう私の気持ちはバレているみたいだ。