問題は翌日からの学校だった。



まず、朝の電車で偶然にも吉乃くんに遭遇した。

昨日の今日で、しかも自分の気持ちを自覚してしまった私のとって、吉乃くんと朝から2人きりで登校するのはかなり心臓に悪かった。



そんな私の気持ちを知ってか知らずか、吉乃くんは「今日もかわいいです」と平然とした顔で言うし、「寝ぐせついてますよ」って、ナチュラルに前髪を触られた。



「よ、吉乃くん、っ」

「ホントすぐ照れる。俺のこと意識してくれてるみたいで嬉しいです」



意識してるみたい、じゃない。
意識してるんだ。

ていうかもう、「好き」なんだよきみのこと。



とは言え、朝の電車の中でそんなことを言えるはずもない。

私はぐっと言葉を呑み込んで、一向に冷める気配のない熱を感じていた。