「瑛斗、咲斗。なにしてるの…」



時間帯的に、彼等は帰宅途中だったのだろう。

別に隠れなくてもいいのに、と思いながら2人の名前を呼べば、「「こんにちは…」」と目を逸らしながら声をそろえて言われた。



吉乃くんを前に人見知りを発動しているのかもしれない。今日も今日とて綺麗な顔面には似合わない行動だ。




「先輩、だれですか?」

「あ、幼馴染の双子なの」

「はじめまして」

「うっ、まぶしい」
「ひっ、こわい」




まぶしい、こわいって、…何を言ってるんだ本当に。

はあ…とため息をつけば、吉乃くんは「にぎやかですね」と抑揚のない声で返した。




「…、吉乃、って、おまえだろ」

「え?」

「二千花のこと、…遊びだったら許さねーよ」




小さな声だった。

瑛斗の言葉に、咲斗も首がもげそうなほどうんうんと頷いている。