先ほど成川くんと話しをしたときに泣いてしまったからか、目が赤くなってしまっているようだった。


体育館内は演出のため暗くなっていたから大丈夫だったけれど、やはり明るみに出ると目が晴れているのは目立ってしまうのかもしれない。




「…別れて来たの。ごめん、何も言ってなくて」

「…え」

「……会長と?」




頷くと、2人は口を開けたまま固まった。

メイとレナには何一つ状況を報告していなかったからそうなるのも無理はない。


全部終わらせて、ちゃんと時間があるときに話そうとは思っていたとの旨を伝えると、2人は泣きそうな顔をしながら「全部聞く」と言ってくれた。




「あたしら、衣装着替えないといけないからさ、二千花は先に戻ってて」

「うん。わかった」

「あと目、ちゃんと冷やしなね?よく見たらかなり充血してるもん」

「…うん。ありがと」

「じゃーすぐ行くから。またあとで」




14時までが休憩なのでまだ少し時間はあるけれど、戻って目を冷やすことを考えればちょうどよいだろう。


更衣室のところで2人と別れ、私は教室へと向かった。