「まあ、別に先輩があいつと拗れようと付き合おうとあたしには関係ので。かいちょーが先輩のせいで傷心してると思うのでもう行きます」
「、蛍原さん、」
「…どうしても、」
「え?」
「どーーーーーーしても一人じゃわからなくなったら、…連絡してきてもいいです。連絡先は蒼志にでも聞いてください」
そういって彼女は私の横を通り過ぎて保健室の方へと歩いていく。
廊下にひとり、残された私。
頭の中を埋め尽くすのは、蛍原さんの言葉と、脳裏をよぎった“彼”の存在だった。
――自分の気持ちくらい、ちゃんと自分で気づいてください
どうして私は───吉乃くんの顔が浮かんだのだろう。