「そ、そんなの私もだよ…あの時、ゆうくんの彼女だった人が羨ましいって思った……」
自分の気持ちを伝えてるだけなのに、ドキドキしてしまう。
「あれは全部陽葵の代わり。俺がどれだけ陽葵の事好きだったか知らないだろ?」
「…うん……。知らない…から……教えて?」
「あー…可愛すぎる」
ゆうくんは視線を逸らした後、ギュッと私を抱きしめた。
少しだけ離れ、ゆうくんが真っ直ぐ私の瞳を見つめる。
至近距離で絡む視線に、居た堪れなくて目を伏せた。
「や…やだ……ドキドキする…んっ」
短くも長くもなく離れたゆうくんの唇。
優しくて、とろけるように甘いキス。
恥ずかしくて、ドキドキして、訳わかんなくなる。
「少しは伝わった?」
ゆうくんの言葉にコクンと頷いた。
充分過ぎるくらいに伝わったよ…。
こんな大人なゆうくん、知らない。
心臓がもたないよ…。
そんな私に止めを刺すかのように、ゆうくんはとびきり甘い声で囁いた。
「陽葵、好きだよ」
はうっ…?!
もう、キャパオーバーだよ……ゆうくん。
死んじゃうっ…。
これから始まるゆうくんとの日常は、甘くて危険な予感。
【END】