くそっ…!
荒々しくソファに座り、頭を抱えた。
嫌いって言葉、結構くるんだな…。
そんな事より陽葵を泣かしてしまった事に、胸が締め付けられるように苦しい。
妹、お似合い……いろんな言葉を並べて嘘をつき、本音を隠した。
陽葵の為と思って。
陽葵と俺は歳が離れすぎてる。
歳が離れた俺より同い年の光くんの方が断然良いに決まってる。
陽葵を幸せにしてくれそうだし…。
頭でそう思っても、本心が違う。
ずっと俺の隣にいてほしい。
陽葵が好きで好きでたまらない。
俺だけに笑いかけてほしいし、独り占めしたい。
3年っていう差が、こんなにも大きいなんて…。
「どうすれば良いんだよ…」
そう呟いた時だった。雨の音が聞こえたのは。
嘘だろ……こんな時に…!
気付けば俺は傘をさして外に出ていた。
もう一つの傘を持って。
アパートの階段を降りると、土砂降りの雨が降っていた。
陽葵…どこにいるんだよ…
ただ闇雲に陽葵の姿を探すしかできない。
ズボンが濡れようが、水溜りに入ろうとが関係無い。
陽葵が雨の中泣いてると思うと、胸が締め付けられるんだ。