コンビニに入ろうとした時だった。

見覚えのある顔に、私は駆け寄った。


「光くん!」

名前を呼ぶと、光くんは目を丸くして驚いていた。

「陽葵、どうしたんだよ」

「光くんこそ」

「俺?飲み物買いに来た」

袋を広げ、中を見せてくれる光くん。


「わぁ…いっぱい買ったんだね…」

「友達来てるから」

「あ、そうなんだ」

なら邪魔しちゃダメだよね。


「じゃあまたね。光くん」

手を振ってコンビニに入ろうとすると、光くんに腕を掴まれた。


「…光くん?」

初めて見る光くんの真っ直ぐな瞳に、少しだけ動揺してしまう。


「まだ、あいつの家にいるの?」

「ゆうくんの事?うん。いるよ?」

「あいつと付き合ってんの?」

「え、いや…まさか…!」

私は両手を前に出して拒否した。


あれ…?

前もあっちゃんにそんな事言われなかったっけ??


「あいつの事好き?」

「えっ!?」


驚いたのも束の間、

「俺、前から陽葵の事が好きだったんだ」

予想外な事を言われ、一瞬何を言われてるのかわからなかった。


「…え…?」

光くんが…私を……?


光くんを見ると、私じゃない何か後ろの方を見てて…私は振り返った。


ドキッ

「ゆう…くん…」

「あ、ごめん…陽葵、財布玄関に忘れてたから届けに来たんだ」

ゆうくんは視線を逸らしたまま、私に財布を渡した。

ゆうくん…聞いてた……?


「…邪魔してごめんね」

っ…そんな事……


「じゃあ…、返事は後でいいから」

光くんは背を向け、歩き出した。

「光くん…!」