「うーん…わかったわ。明日の夕方にまた迎えにくるから。陽葵、迷惑かけないのよ?」

「うんっ!お母さんありがとう!」

嬉しくて、私はお母さんに抱きついた。


「この子ったら。祐介くん、悪いけどもう1日お願いするわね」

「はい。ありがとうございます」

出て行くお母さんに、ゆうくんはペコリと頭を下げた。


ゆうくんがあんな事言ってくれるなんて思わなかった…!

ワガママ言わないでって言ってたから。


「ゆうくん!ありがとう!」

ほんとに嬉しくてニッコリ笑う私に、ゆうくんは頭を優しく撫でた。


「もうあんな顔すんなよ」

「うんっ」

「さ、靴脱いであがりな」

ゆうくんに言われるがまま、靴を脱いだ。


へへ。嬉しいな。


あ…!そうだ!

「ね、ゆうくん。コンビニに行ってくるね?」

「え?何買うの?」

「ナイショ」

ニッコリ笑って見せた私に、ゆうくんはクスリと笑った。


「何それ。雨が降りそうだから気を付けるんだぞ」

「はーい、行ってきまーす」

再び靴を履いた私は、ゆうくんに手を振って外に出た。


今日で最後だから、初日のようにゆうくんとアイスを食べるの。

2人で半分こにしたアイス。


久しぶりに会ったゆうくんに、ドキドキして…いろんな話して、楽しかった。

だから最後にもう1回一緒に食べる。


それだけで、もう充分。

ゆうくんがあんな事言ってくれたから、もうワガママ言わないよ。