リビングの電気を消して、俺の部屋に入った。

久しぶりにベッドに座ると、ギシッと軋む音が聞こえた。


「おいで陽葵」

布団を持ったままの陽葵を呼ぶ。


ガラにもなくドキドキしてる。

今からヤバい事、するみたいで…。


「電気、消すよ?」

「うん…」

部屋の電気を消して、布団の中で潜る陽葵の隣に行った。

極力陽葵に触れないように、距離を取る。


動く度にベッドの軋み音が部屋に響く。

これ、絶対寝れないやつじゃん。


あ、光った。

雷の音が聞こえる度に、陽葵はビクビクしている。


「大丈夫?」

「ん…だいじょーぶ」

そんな震えて、何が大丈夫だよ。


「頼ってよ。陽葵を守るくらいの力はあるから」

強がる陽葵の頭を優しく撫でた。


ソッと陽葵が布団から顔を出す。


「あのね…手、握っててほしい……」

そう言って出した陽葵の手を、俺は優しく握った。

小さくて柔らかいその手は震えている。


守りたい。

どうしたら震えが止まるだろうか。



「大丈夫、陽葵が寝るまでこうしてるから」

もう片方の手で陽葵の頭を撫でた。


「ふふ」

あ、笑った。

「ありがと、ゆうくん」

さっきと声色が違う。

少しは元気が出たみたい。良かった。


安心したのか、陽葵は寝息をたて始めた。


可愛い寝顔、しやがって…。


陽葵が寝ても、俺は頭を撫で続けた。