陽葵が家に来て、シャワーだけだった俺が風呂に入るようになった。


天井の水滴が浴槽に落ちてくる。


陽葵と一緒に過ごすのもあと少し、か。

楽しかったな…。


ゴロゴロゴロ…


あ、雷。

陽葵、大丈夫かな?寝てると良いけど…。


風呂からあがった俺は、脱衣所で髪の毛を乾かす。

次いでに歯磨きもしとくか。

そう思った俺は、歯を磨きながら視界に入った陽葵の歯ブラシを見つめた。


当たり前のようにある陽葵の歯ブラシ。

ここで陽葵が生活している。そう実感させてくれる歯ブラシだ。


でもあと少しでこの歯ブラシも無くなるんだよなぁ。

陽葵専用の箸もコップも、棚の中に終う事になる。


そう思うと……、寂しいな。

ハハッ

長く一緒にいすぎたか?



リビングに戻ると、静まり返っていた。

時々聞こえる雷の音。


陽葵がいないって事は、もう寝たな。

でも、寝るにはまだ早い。

テレビでも見るか。


電源をつけると、静まり返ったリビングに、大きい音量が聞こえビックリした。

やべ。下げてなかった。


何にするかな。

チャンネルを変えていると、再び雷の音が聞こえた。


雷、近づいてきてるな。