「まだ音聞こえないし、早く風呂入って雷が鳴る前に寝れば大丈夫だろ」
「そうだね!入ってくるっ!」
バタバタと走って行く陽葵。
ぷっ。
素直に言う事聞く所とかすっげぇ可愛い。
いつもより早い時間に風呂からあがった陽葵。
「今日は早いな?」
「だってっ…!」
髪の毛も乾かしてない。
相当嫌なんだな。
「おいで陽葵。髪の毛乾かしてあげる」
「えっ!」
嬉しそうにドライヤーを持って、俺の前にちょこんと座る陽葵。
くそっ……可愛いにも程がある。
長い髪の毛に触れ、乾かしていく。
髪をすくい上げては乾かして、時々、頬や首筋に触れてしまう。
柔らかくて、サラサラの髪の毛。
陽葵を女と意識してしまう。
このパジャマだって、露出が高すぎて初めて見た時はビックリした。
ガウン着てるから良いものの、下着みたいなもんだろ?
それを触ってって言うんだもんな。
ほんと罪深い女だよ。陽葵は。
「はい。終わり」
「ゆうくんありがとう」
振り返って笑う陽葵。無邪気だなぁ。
時計を見るとまだ9時。
「陽葵はもう寝る?」
「んー布団の中に入ってる!ゆうくんは?」
「俺も風呂に入るかな」
「そっか…じゃあおやすみ。ゆうくん」
「ん。おやすみ」
陽葵の頭を撫で、俺は風呂場に向かった。