なのにまた、再会するなんて…な。
神様は意地悪だ。
好きな人がこんな近くにいるのに何も出来ねぇって、拷問だろ。
だから俺は陽葵に“妹”と言ってる。
自分に言い聞かせるように。手を出さないように。
「その前に俺、3つも歳が離れてるんだぞ?無理だろ」
「10離れてるんだったら厳しいけど、たかが3つじゃん。そんな変わんねぇよ」
たかが…ね。
そんな簡単な事じゃ無い。
3年の差は大きい。
俺の知らない陽葵は、数えるほどある。
学校での事。友達。…男の存在。
…同い年だったら良かったのにな。
そしたら妹扱いなんかしてなかった。
「陽葵の様子見てくる」
席を立って、陽葵がいる木陰に向かって歩いて行くと、とんでもない光景に目を疑った。
な…にしてんだよ…。
陽葵が光って人の上に跨って押し倒してる。
嘘だろ?!
そんな距離も無いのに、気付けば俺は走っていた。
陽葵の腕を引き、2人を離す。
「何してんの」
「ゆうくんっ!光くんがウィンナー食べようとしたの!」
食べようとしたって…
「それだけ…?」
それだけの為に、あんな密着したって言うのかよ。