電車に揺られ数分。
集合場所の公園まで、また数分歩いた。
行く途中で買った物は、全部ゆうくんが持ってくれて…隣を歩くゆうくんを見つめた。
「ゆうくん重くない?」
「これくらい平気」
そう言ったゆうくんは、両手にある袋を軽々と持ち上げていた。
それにしても広い公園だなぁ。
遊具があるから子供連れもいれば、バーベキューをしている人もいる。
そこを通ると美味しそうな香りがして。
「あ、あそこだ」
「え?」
ゆうくんが指した方を見ると、テントを張ってる人が何人かいて、その近くにはバーベキューグリルをセットしてる人がいた。
男の人3人と女の人が1人。
「出来てるじゃん」
「あ、祐介!」
「陽葵、こっちにおいで」
手招きしてテントの中に入って行くゆうくんを追いかけた。
「この子が例の幼なじみ?」
「ああ」
ゆうくんの隣でジーッと明るい茶髪の彼を見つめてると不意に目があった。
わっ…!
ビックリして、私はゆうくんの後ろに隠れた。
「可愛いね。何て名前?」
ギュッと、ゆうくんの腕を掴む。
「水瀬……陽葵…」
「陽葵ちゃんか〜名前も可愛いね」
「……」
「あれ?俺嫌われてる?」
助けを求めるかのように、彼はゆうくんに話をふった。