そう思ってたのに、やっぱり睡魔には勝てなくて…
「陽葵、寝る？」
「ん〜ん…」
頭が前に倒れては戻して、の繰り返し。
「陽葵、目閉じてるよ？」
私はゆうくんの腕をギュッと抱きしめた。
嫌。
「眠くないぃっ…！」
「はぁ…行くよ」
そう聞こえたかと思うと、私の身体が宙に浮いた。
「やぁだ、寝ない…」
ゆうくんにお姫様だっこされてるのに、睡魔に負けてる私の思考は…廻っていない。
ただ子供みたいに駄々をこねるだけ。
「何でそんなに駄々こねるの」
ガチャッとドアを開けて、ゆうくんはどこかの部屋に入った。
「俺のベッドで悪いけど、ここで寝なさい」
「やぁだ」
降ろそうとするゆうくんの首に手を回し、離れないようにギュッとしがみつく。
そんな抵抗も虚しく、フワフワの布団に降ろされる。
「こーら、陽葵。手を離しなさい」
「やぁ」
「ひーまーり」
「ゆうくんと一緒にいたいの…」
「…はぁ、勘弁してよ。俺、やる事あるって言ったでしょ？良い子だから離して？」
「うぅ…」
渋々手を離すと、フワフワの布団のせいか直ぐに眠ってしまい、
「ほんと勘弁してよ…そんな甘えた声出されたら、我慢できねぇって」
そんな声も聞こえなかったんだ。
