「こうしたら全部見えるから。意味、わかるよね?屈んだりする時は気を付けなよ」
そう言ってゆうくんが手を離すのと同時に、私は胸を隠した。
…っ
「ゆうくんになら見られても良いもんっ!」
「な、何バカな事言ってるんだよ」
恥ずかしいけど…
「大丈夫だもん」
ゆうくんだったら嫌なこと…しないもん。
再び視線を逸らしたゆうくんは、困った顔して頭をガシガシと掻いた。
「ごめんね。意地悪して」
ゆうくんが優しく頭を撫でる。
「でも安心して?陽葵は可愛い妹だから絶対手出したりしない」
そう言ってゆうくんはニッコリ笑ってくれたのに、なぜか私の胸がチクリと傷んだ。
??
アイスがまだ残ってるのかな…?
再びソファに座ったゆうくん。
「ゆうくんお風呂入らないの?」
「ああ。まだちょっとやることあるし、これ見終わってから」
「私も」
ドラマを見ているゆうくんの隣に座った。
「眠くないの?」
「うん!このドラマいつも見てるもん」
なんて言うのは嘘で、ドラマは録画したままでまだ見てない。
本当はゆうくんと少しでも長く一緒にいたいだけ。
夏休みが終わったら、今度いつゆうくんに会えるかわかんないから…。