しばらくして私はゴシゴシと乱暴に涙を拭うと、ひゅうがから離れた。





そんな私を見てフッとひゅうがは笑みを浮かべた。





その大人っぽい笑みを見てキュンとしたのは事実だけど、私ばっかりドキドキしてるのはつまらない。




慌てて話題を逸らす。




「今日はチョコレートたっくさん食べよーっと!」




「お前…最近蓮の誕パで食ったばっかだろ」




「でも、ひゅうがのお陰でようやく食べれるようになったから!」




「まあいいか…行くぞ」




10年間食べてなかったし、10年間の空白を埋めたい。




ってのは口実。




本当は、ひゅうがといる時間を増やしたいだけ。




…ねえ、日向。




私の過去を知ってくれて、…そして私に過去を話してくれて本当にありがとう。




私、…この時を一生忘れないから。