「…」




ひゅうがはとても驚いた表情をしていた。




「父さん」




ひゅうががぽつりと呟いた。




「…何も知らないのに…あの頃家を出ていって、…逃げて、ごめんなさい」




きっとひゅうがだって苦しかった。




でも、それ以上にひゅうがのお父さんのほうが苦しかったはず。





「…でも、私の息子として帰って来てくれて、本当に良かった」




うわ…。





泣きそう。




「…って何で日向が泣いてるんだよ」




「へ?」




もう泣いていたんだ。




「はい」



ひゅうががハンカチを貸してくれる。




「あ、ありがとう」




こんな時にハンカチを持っていない私、女子力壊滅的だわ。




なんて思いながらひゅうがに貸してもらったハンカチで涙を拭う。