そこでひゅうがはハッと顔を上げた。




ひゅうがのお父さんは優しくひゅうがの方を見て微笑んでいた。




とても切なげな微笑みだった。




「それからお前が小6らへんまで、なんとか隠し通せたのだが…。




遂にあの人も気づいてしまったんだ。




そしてあの人は桃子を、殺したんだー…。」




激しい嗚咽が聞こえてきた。




ーこれが、真実はどうなのかは私には分からない。




けど、…この人は相当辛いものを抱えて生きてきたんだろう。




しばらくして、鼻をチンとかんだひゅうがのお父さんは、また話し始めた。




「多分、君には過労死、と言った記憶がある。




殺された、なんて言ったら君はどう思うか…。




そう思って、真実を隠してしまった。




本当にすまなかった」