青い糸〜絡まっては、ほどけて〜


高2の春、花恋は先輩に告白し、成功した。


「花恋〜っ!良かったね!おめでと〜っ」


「ありがとう。紗希のおかげだよ〜〜っ!」



それから、花恋は、毎日先輩と帰るようになった。




ーーある日ーー


キーコーンカーコーン

放課後を知らせるチャイムがなった。



今日は、1ヶ月に1度の予備授業がある。


フフッ、花恋がウキウキしてるっ!

まだ早いのに。




あれじゃ、テストのための授業だと言うのに集中できてなさそうだなぁー。





「はいっ、今日は、ここまで。おつかれ。」

と告げ先生は、教室を出ていったーー。





今日もまた、笑顔で花恋を見送った。


花恋は、下駄箱で先輩と待ち合わせしてるみたい。





今日も、花恋は、楽しそうだったなぁー。


私も、なんだか嬉しいやっ。



私は、あれやこれやと考えていると、教室には、誰も行くなっていた。


私は、急いでカバンに教科書やら、ノートやらを詰め込む。


みんな、もう、帰ったみたいだ。


ふと、目の隅にオレンジの光が差し込む。


窓を見ると、


「うわぁー、キレイ、、、。」


私が、見たのは、茜色の空。


あたりがが真っ赤に染まっていく。



まるで、夕日が僕は、ここにいるよって言ってるみたい。



夕日の存在感は、圧倒的なのにねーー。





ガラガラッ



ん?誰か、来たのかな、、、?



え?!





な、んで、、、


「あっ!いたっ!さーきちゃん♪」


「え?なんで、せんぱ、いが···かれ、んは?·····」



私がそう言ってるうちに、先輩は、お構い無しに近づいてくる。


なんで、、、先輩は、、花恋と帰ったはずじゃ、、。



先輩のカノジョは、花恋だよ。


花恋のカレシは、先輩なんだ、よね。







ど、どういうこと.......?




「今日は、花恋じゃなくて、紗奇ちゃんに会いに来たんだ〜」


先輩が上機嫌で、そう言う。


ど、どうして。


私が見てきた先輩は、そんな人じゃなかった。


そう。花恋の前だってーー。





「先輩は、花恋の彼氏です、よ、ね·····。」



お願い、先輩っ!そう言ってっ!!!



「あー、あいつね。もう、飽きちゃった。」



「な、なんで·····花恋は、真剣だったのに···」





「実はさぁ〜、あれは、賭けだったんだよね〜」


え?、、、


”賭けだった”


花恋は、そのかけのために利用されたの........?


あなたのためだけにーー。




「それより、俺、実は、紗希ちゃんのこと好きだったんだよね。」


えっ?


そういう先輩は、別人...........?


それとも、







それが彼の本当の姿だったの.........?


もう、わかんないよっ!!


こんな事をしても、反省の表れはなく、淡々と私に話しかけてくる。


「だからさ、付き合おうよ。」



まだ、言うの...?


いい加減にしてよっ!!




彼との距離は、もう、数十センチになっていた。



そして、


彼と私との、顔の距離は、もう、数センチまで迫っていてーーー。



ガラガラ


私たちは、音のしたドアの方を向く。




すると、そこに、、、







「か、れん、、、」


と私の言葉と同時に


「花恋、、、」


先輩の言葉が被った。



「えっ?!ど、どうして、先輩と····さ、きがいる、の?·····」


と、花恋が私たちに向かって言う。


私は、急いで、


「花恋っ!これは、違うのっ!!誤解だよっ!!」


と言う。でも、混乱している花恋がきいてくれるはずはなく...........。


先輩はというと、


「··········。」


と黙っている。




「そうやって、私を笑ってたんでしょっ!!最低っ!!」



花恋は、そう言い残して、教室を後にした。



先輩は、


「な、なんか、ごめんね?」


と言い教室をたった。





私は、1人教室の中、茫然としていたーー。










ついには、1滴、2滴と、次々に目から、雫がこぼれ落ちた。