「····ヒッ··ク····ヒ···ッ··」
目の隙間から、光が入ってくる。
ゆっくり、目を開けると、
赤、オレンジ、黄色の光が目に入ってきた。
夕焼けーーーー。
こんな、綺麗な景色を見ても、今は、なんとも思わない。
その燃え尽くすような赤が、私の心をかき乱していく。
私は、夕焼けに語りかけていたーーー。
ねぇ、教えて。
教えてよ。
私は、どうすればよかったの?
追いかけるべきだったの?
花恋に会って、なんて言えばよかったの?
溢れ出す思いに止まらなくなる。
夕焼けにぶつけても、なんの意味もないのにーー。
分かってる。分かってるけど...........。
私のキモチは、どこにやればいいのーー?
夕焼けは、答えるはずもなくーーー。
夕焼けは、分かるでしょ?全部見てたでしょ?
私たちの関係は、そんなに脆かったの?
そんなに、一瞬の出来事に潰されてしまうの?
夕焼けの前では、話せるのに。
私は、臆病だね。
そして、茜色の空は、藍色に染っていくーー。
私の気持ちの変化みたいにね。
そう、3年前のあの時、私は、臆病だっだ。
あの後、私は、何度も、花恋に言ったっけな。
でも、聞いてくれるはずもなかったーーー。
そう·····。遅かった。
あの時、すぐ追いかけていれば、どれだけ良かっただろうか。
フッ、もう、遅いか......。
私は、苦笑いを浮かべる。
花恋は、あれから、1週間で転校してしまった。
あの日の夜に言われたんだとか。
もう、なんの繋がりもないーー。
私たちは、日々、大人に近づいていく。
「いってきまーす。」
誰もいないけどね、、、。
私は、一人暮らしをしている。
今日は、大学は、休み。
でも、あの日の夢を見たせいか。
無性に高校に行きたくなった。
『わぁ〜、変わってないなぁー』
「懐かしい.......」
懐かしいなんて思って歩いてると言葉が出ていたみたいだ。
ん?
私の言葉と誰かの言葉が重なった。
学校の校舎から目を離し、声の聞こえた方へ、目を向ける。
『「えっ、、、!」』
声が被った。
『さ、きっ、、、』
「かの、ん、、、」
な、なんでいるの?
生あたたかい、何かが頬を流れ落ちる。
その瞬間、彼女が視界から消えたーー。
え?!
それと共に、私の体は、抱きしめられている感触に陥る。
懐かしいなぁ。
「か、の、んっ、、」
どうしたのっ、なんで?
花恋が抱きしめてるの?
『紗希、聞いてっ!ごめんっ、ごめんね。
あの日、紗希が先輩と一緒にいたことがショックで、私っ、私、酷いこと言っちゃったっ·····。』
『私の事、1番応援してくれた紗希がこんなことするわけないって、分かってたのにっ。』
『私、先輩に裏切られたことを分かりたくなくて
·····。』
そう言って、泣きながら言った。
か、かれん、、、。
「花恋、わたっ、し、も、ごめん。
すぐに花恋を引き止めていればっ、、、。
私、ずっと後悔してた·····。」
『わた、しも···。』
そっかっ。そうだったんだ。
お互い、空回りしてたんだね。
ちゃんと、話し合うべきだった。
「花恋、また、仲良くしてくれる?」
『···っ!うん!もちろん!』