「…伊織。入るわよ」
「……おーーーーーーー」
生気のない返事をすると、母は部屋に入ってきた。
「…伊織。言葉とか覚えさせて、育てる? って言うのかな? 育てるタイプのロボットなんだけど…自分で育てるか母親役のロボットを買って育ててもらうか…どっちがいい?」
様子うかがいをするように聞いてくる。
さっきまでの勢いはどこへ行ったのやら。
俺がきつく言っちゃったからかな…と、少し反省した。
「…悪いけど、育ててくんね?」
さっきみたいに不良のような(?)返事はやめて、そう言うと、母は少しほっとしたように小さく笑みを浮かべて「わかった」と言った。