「でも——」





「うるさい口。その口ガムテープ50枚くらい巻いて塞いでやろうか?」






「……鬼ですね」






「だろっ! 言いながら思ってた!」






…怒ってたり、ふざけてたり、笑ったり…なんなの。






そんなことを考えている自分が恥ずかしくなって最初に質問した2つを持ち上げる。






「…そういえば、この2つなんていう名前なんですか?」







「あぁ、お前が最初に聞いたのが消しゴムで、2番目に聞いたのが鉛筆」







伊織様が何もふざけずに、話を逸らすなと怒らずに答えてくれたことにホッとする。






『ケシゴム』と『エンピツ』…か。






なんか、この名前口にする度に今日のこと思い出しちゃいそうだな…。







…ていうか……。






「伊織様…さっきから何見てるんです?」






「いや、話逸らすの下手なのか上手いのかわかんねーなって思ってたとこ」






…。






「……それでは反抗開始します」






「なんだそれw」






笑ってくれるのは嬉しいんだけど、言い出した肝心のワタシが話を逸らしきれてない。






いや、いいんだけどね?