――――――
あとは手順に則って進めるだけだった。
本人立ち会いのもと、大河内君が住むアパートの家宅捜索が開始される。
「・・って。豊川さんもガサ入れに参加するなんて珍しいですね。」
「ゴホッゴホッ!社会科見学です。」
恐らく・・
豊川さんの“気まぐれ”かな・・?
参加するはいいけど、凶器を確認する僕達とは全然違う方向へ向かって、
ワンルームの被疑者の生活ぶりを眺めている様子だった。
「これが凶器で間違いないな?」
<はい。>
関本主任の問いかけに、無造作に放り投げられていた紐を大河内君が指さす。
「・・・うん、形状や太さから、
索痕に当てはまりそうっすね。
帰ったら被害者のDNAが付着しているか確認してみるっす。」
押収する長くんの見解で、
凶器とほぼ断定された。
「じゃあ犯行日に着ていた服装とか、
身につけていた物とか。
詳しく指さし呼称で写真撮らせてくれ。」
<分かりました。>