“ガチャリ”


「あ、関本主任。どうでしたか?」


「名前は【大河内シンジ】22歳。

普段は酒屋と弁当屋でバイトしてる・・まぁいわゆるフリーターだな。」


「さっきからこちらの取り調べに対して【筆談】で答えてる様子ですけど、一体・・?」


「これ見てみ。」


関本主任から差し出されたのは、
被疑者の所持品・・手帳・・?


「これは・・【障がい者手帳】。」


「俺もさっき初めて知った病気だ。

【構音障がい】って言って・・

ちょっと待て。
ウィキペディア見てもらったほうが早い。


[唇や舌などに麻痺が出て、
言葉をうまく発音できなくなる症状です。

運動障害性構音障がいは、
発声がうまくできない機能性の問題の為、

耳で聞いて理解する能力・目で読んで理解する能力に問題はありません。

ですので、
利き手に麻痺が出ていない限りは、

運動障害性構音障がいで言葉が発することができなくても、

筆談でコミュニケーションを取ることは可能です]

・・・だとよ。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「星野。お前も取調室行ってきていいぞ。」


「いいんですか?」


「被疑者が何を自供してるのか。

お前もあの紙に書いてある内容見て、
好きに質問してこい。」