それと同時に・・

段々とご主人のコウスケさんのメンタルも見過ごせない状況だったのも確かです。


奥様の看病に追われ・・

常にその状態に気を配り、攻撃的になった際は反撃すること無く全て受け止め・・

消息不明になったら探し回ってと・・。


私はクミコさんのうつ病治療と平行して、

コウスケさんのカウンセリングも実施するようになりました。


あの方の精神状態も・・ひどく弱っていったのが目に見えましたので・・。




・・・・え・・?
い、いや豊川刑事・・。

決してそんな事は・・ご主人は必死に奥様のうつ病と向き合っ・・・


・・・・・・はい・・。

そういう意味では・・
“患者と看病人”ですね・・。


・・・・・はい・・。

仰るとおり、
主治医としても認めざるを得ません。


確かにクミコさんの症状が改善出来ていなかったあの状況では、

平山さんご夫婦の・・
【夫婦関係は終わっていた】と・・。



しかし、治療がうまくいけばまた・・

・・・クミコさんが亡くなってしまった今となっては・・

何を言っても絵空事になってしまいますね・・・。


はい・・・はい・・。
ありがとうございます。


・・・って・・
ちょっとお待ちください・・。


あなた方は誰がクミコさんを殺したとお考えなのですか・・?


まさか・・・まさか違いますよね!?


・・・あ・・そうですよね・・
捜査情報は漏らせないですよね・・。


・・しかし豊川刑事、星野刑事。
これだけは分かってください。

コウスケさんは本当に奥様を大切に思って、何とかしたいと・・

クミコさんを何とかして救いたいと・・。


・・・申し訳ございません。

こんな事を言うとあなた方警察から敵意を向けられるかもしれませんが、

精神科医として、
私はコウスケさんの事を責められません。


・・もしそうだったとしても・・

私は・・彼を責めたくありません・・・。