「覚えてくれていたのね、約束」
「へ?約束?」
「約束したじゃない」
「あー約束…うん…まぁね…」
指輪を受け取るのも忘れて、思わず潤へ抱き着く。
顔を真っ赤にさせる潤に自分からくちづけをした。
すると潤は少しだけ照れくさそうに微笑むのだ。幼き頃と変わりない笑窪の出来るその笑顔で。
「愛しているわ…潤と結婚出来るなんて本当に夢みたい」
「俺も菫を愛してる」
’菫ちゃん大きくなったら僕と結婚してね’
’うん。菫絶対に潤と結婚する’
どこか遠くからあの日のふたりの声がする気がした。
実はあの約束には続きがあった。
’大きくなったら菫ちゃんの為にウェディングドレスを作るんだ。世界にひとつしかない’
’本当に?潤がドレスなんて作れるの?’
’大人になったらきっと作れるよ。それに僕んちは洋服屋さんだから作れない服はないんだよ!’
’うれしい!楽しみにしてる!’
約束を守ってくれて、ありがとう。