本日土曜日。潤のマンションで結婚式の打ち合わせ。
泊りは無し。父が結婚するまで実家にいる事、と決めたせいで門限は21時と固く決められた。
何を今更、とも思うけれどあの父が認めてくれたのだ。それは最後まで守ろうと思う。
今まで門限さえ決められた事のない娘だったのは、浮いた話のひとつもなかったから。よくもまあ25年間も生真面目に生きてきたもんだ。これはこの先だって変えられそうにない性分だ。
「それにしてもおじちゃん乗り気だよな…。あんなに反対していたとは思えない」
「そうよ。お父さんが1番ノリノリなんだから、もうすでに孫の話ばかりしてるわ。
いやんなっちゃう」
「まぁーいいじゃん。それだけ喜んでくれているって事なんだから。
うちのとーちゃんなんて未だに実感がない感じでポヤーんとしてるよ。まぁあの人はそういう人だしさ。
かーちゃんは気合い入ってるって言うかおじちゃんと同じ感じで浮かれまくってるけどね。
舞が海外から帰って来てるっつーのに嬉しいのか嬉しくないのか分かんない感じだし。
こうなったらとーちゃんが1番何考えているか分かんねーよ」
「あら、そんな事ないでしょ。潤のお父さんは昔から子供想いだもの」
「そっかぁー?」
潤がうーんと首を捻って考える。
おじちゃんは大人しい人だけど、昔から子供想いの人だ。
その証拠がS.A.K。つまりは自分の会社のお店の名前なんだけど……。