確かに突然の結婚だったわ。
父の押しが強かったっていうのもあったけれど、潤は嫌がる素振りひとつもしないでそれどころか喜んでくれていて。
潤と一緒にいれるのならば篠崎の名前を捨てても良い。と思った事もあった。それを潤は駄目だと言って家に無理やり帰らされた。
でも潤の言う通り結婚をするのであれば皆に祝福された方がいいのである。
そう思ったら眠気も吹っ飛んだ。一生に一度しかない挙式の事。よーし、これから頑張るぞーッ!!
「入場の曲は絶対にディズニーね」
「それはいいけど。洋楽とかもかっこいいと思うんだけどなー」
「駄目よ。全部ディズニーにするの。小さな時からの夢だったんだから」
「はいはい、全ては菫様のお任せに致します」
「ちょっと!ふたりの結婚式なんだから潤もちゃんと考えてよッ!」
「俺の意見は全部却下するだろうッ!」
「そんな事ないわよ。後ね、お花にも拘りたいのよ。シャボン玉も会場で飛ばしたいし
最近はブーケトスよりもぬいぐるみを新郎新婦で飛ばすのも流行ってるんだって。ブーケトスだったら女の子たちだけしか楽しみないけど、ぬいぐるみだったら子供たちも楽しめるしね。
それとね、この間お母さんとおばちゃんとドレスを見に行って来たんだけど」
文句ばかり言っているけれど、乗り気なのは絶対に私の方だった。
そんな私の話を潤はにこにこと笑いながら聞いてくれる。
この時間は幸せそのものだ。 潤が私の話を笑顔で聞いてくれるのは、この上ない幸せなのだ。