…だからばーちゃんも何故そんなに偉そうなんだ。

けれども何故かそこで笑いが起きて、さっきまでのしんみりとした雰囲気と打って変わり明るく温かい空間になった。

そういえば小さい頃はこうやって2家族一緒にご飯も食べたもんだ。

ところで、この場にいない人間がひとりいるようだが?その存在に…きっと誰も気がついていない。


バンっと玄関のドアが開く音がして、慌てて篠崎家に入って来たのは…。

「おい、かーさんが帰って来てるって!」

遅い。遅すぎる。つーか誰もいなかった事に気づかない存在感のなさは少し悲しい。

さっきまで笑っていたばーちゃんが途端に目をつりあげ、ツカツカととーちゃんの元へ歩いていく。

そして俺とおじちゃんとお揃いのげんこつがとーちゃんの頭に落ちる。

「つぅーッ!かーさん、何だ突然帰ってきたかと思えば!」

「誰がかーさんだッ!お前には小さな頃から文江さんと呼びなさいと教育をしてきたつもりだがね?
あんたが1番根性を叩き直さないといけないようだね?!
そういえばS.A.Kの売り上げも落ちてきているようじゃないか…
お前には一晩中みっちり説教しなきゃいけないようだねぇ?」

「そ、そ、それはッ…」